ヨーロッパのクラブチャンピオンを決める大会、UEFAチャンピオンズリーグの14‐15シーズンが開幕した。今年もAからHまで8つのグループリーグから注目の対戦がある。とても期待しているし楽しみだ。そして、美しさの最先端を行っていたバルサに代わる美しいフットボールの誕生を期待している。
今、ヨーロッパチャンピオンが事実上の世界チャンピオンになった。南米チャンピオンは技術的にも戦術的にもヨーロッパチャンピオンに対抗できるレベルではなくなってしまったからだ。インターコンチネンタルカップという懐かしい響きの世界クラブ選手権の時代が南米チャンピオンのピークだった。今の南米チャンピオンは、ヨーロッパチャンピオンへの挑戦者でしかない。勝ったとしてもほとんどの場合がアンチフットボールという名の、守って、守ってカウンターというリアクションフットボールだ。ヨーロッパの戦術を超える南米のマジシャン、クラック達は南米にいなくなってしまった。南米出身の名手達が10代の内にヨーロッパに移籍することが普通になってしまったからだ。そんな時代に世界チャンピオンを決める大会を開いても意味がなくなってしまった。南米のことやクラブワールドカップを批判しても意味がないのでチャンピオンズリーグに戻ろう。
昨シーズンは、マドリダービーのファイナルだった。白いほうのマドリが終了間際の同点弾から延長でゴールを数発叩き込み10回目のチャンピオン-デシマを達成した。もうひとつのマドリは、89分まで勝っていたのに負けてしまった。ほぼ掴んでいたカップから手を離してしまった。これは白いマドリが持つ目に見えない力がもうひとつのマドリを負かしてしまったのだ。もうひとつのマドリは、昨シーズン、ヨーロッパで最強のチームだっただけにとても残念な結果に思える。
開幕した14‐15シーズン、今シーズンの注目点は、①ポゼッションフットボールの復権、②白いマドリの連覇、③ペップバイエルンの逆襲、④バルサの復活、⑤金満プレミア4チームの戦い、⑥貧乏セリエ2チームの戦い、⑦ジャイアントキリングを起こすチーム。
バルサからバイエルンに移ったと言われるポゼッションフットボールは、カウンターフットボールを越えられるか見てみたい。引いて守る相手をどんな風に崩すのか見てみたい。美しさを増したポゼッションスタイルの登場を待っている。チャンピオンズリーグとなってから、どのチームも達成していない2連覇を白いマドリは達成できるか?デシマの功労者ディ・マリアとシャビ・アロンソがいないマドリのゲームコントロール力は、クロースとハメス・ロドリゲスで実現可能か?バイエルンは昨シーズン白いマドリに木っ端微塵にされたが、今年はどんなフットボールに進化しているか、そしてチャンピオンを奪還できるか?メッシはもう一度世界最高レベルに戻り、美しいバルサのフィニッシャーとなれるのか?ルイス・エンリケはペップ時代を超える美しいパスサッカーが出来るのか?チェルシー、シティ、リバプール、アーセナルの4チームは、どこまでいけるのか?チェルシーとシティは十分タイトルが狙える戦力に見える。リバプールとアーセナルはいいとこQファイナルか?セリエAのユベントスとローマは通用するのか?もう少し時間が必要か?ジャイアントキリングがグループリーグだけでなく決勝Tでも起きるのか?起こすのはどのチームか?サンジェルマンとドルトムントは、十分チャンピオンを狙える力があるので、それ以外のチームがジャイアントキリングを起こすとしたらどこだ?
ファイナルは来年6月6日土曜日。ベルリン・オリンピアシュタディオンのピッチに立つチームは?