バロンドールの発表があった。今年は、チームの実績によって、クリスティアーノ・ロナウドが受賞した。チャンピオンズリーグタイトルとユーロ2016のタイトルを獲得したことがその理由だという。
CWCという「なんちゃって世界タイトル」の中では、世界№1のフットボーラー、クリスティアーノ・ロナウドが連呼され、メディアでは枕詞のように使われていた。チャンピオンズリーグのタイトルは、グループリーグで格下相手にゴールを量産し、得点王獲得の原動力となっていたが、大事な決勝Tでは、あまり大事な仕事は出来なかった。ユーロでもギリギリグループリーグを勝ちあがり、決勝Tでも今一感満載ながら、ファイナルに進み、ファイナルでは何もしないまま途中交代。交代してから、監督に変わって(監督の脇に立って)選手に指示を出すという違反行為を続けていたのがクリスティアーノ・ロナウドだった。
タイトルを獲ったことが、バロンドールに値する事ならば、バロンドールは、その年の最高殊勲選手であって、その年の最優秀選手とは違う様な気がするが、どうだろうか。ましてや、世界№1のフットボーラーという呼び方も違うだろう。
バロンドールが、その年の最優秀選手を選ぶのならば、ずっと最優秀選手は一人しかいないだろう。バロンドールは、昨年までとは異なり、FIFAのタイトルではなくなり、フランスフットボールが選出するタイトルに戻った。毎年ブレブレの選考基準であることは否めないタイトルではあるが、バロンドールは、その年のヨーロッパタイトルを獲ったチームから選ぶ賞だとすればすっきりする。
世界最高の選手を選ぶ賞ではありませんと宣言しなければならない。そうでもしないと、紹介するときの演出言葉として「世界最高」が使われてしまう。特に、フットボールを知らない国やその人を贔屓にするスポンサー達は使いたくなる。
世界最高の選手は、現代で言えばメッシ以外には存在しない。メッシとクリスティアーノ・ロナウドの比較も依然としてにぎやかだ。これもメディアやスポンサーのなせる業だが。
メッシはすでに、マラドーナもペレも超えている。史上最高のフットボーラーになっている。マドリの人達には申し訳ないがそれが真実だ。
バロンドールは、世界最高のフットボーラーに与えられる賞ではない。
だから、今年はクリスティアーノ・ロナウドが獲得した。