マドリーVS偽マドリー
偽マドリーが3-0で勝利した。クラシコの昨シーズンは、バルサVS偽バルサだったが、今シーズンは様変わりした。昨シーズン、中盤の構成力で優位に立ったレアル・マドリーは対バルサで優位に立っていた。直接対決の結果は別にしてもだ。
今シーズンの前評判では、レアル・マドリーの優位が揺るがないはずだった。ところが、今シーズンに入って(スーペルコパは別物として)現実的なスタイルを取り入れたバルセロナが圧倒的に優位に立った。(この時点で公式戦に負けがない)スペイン版のインヴィンシブルズになろうとしている。だが、バルサの優位は、本来マドリーが持っているDNAとでもいうべきリアリズムのフットボールによるものだ。「4-4-2」の並びをバルサが取り入れるのは、そのDNAに無かったもの。今年のバルサは、マドリーよりもマドリーらしいように見える。しかも負けない。
今年は、FIFA年間最優秀選手とバロンドールが分離(元に戻った)され、マドリーの至宝クリスティアーノ・ロナウドが受賞回数でメッシに並んだ。
クリスティアーノは、自身を「史上最高の選手」と言い放った。(クリスティアーノらしい発言だが)そのクリスティアーノは、オフサイドでゴールネットを揺らし対外何もできなかった。行くひいて守っていた場面もあった。屈辱は決定機の「空振り」だろう。いや最高の屈辱は、並び称されるリオネル・メッシの1ゴール1アシストが招いたクラシコ完敗だろう。
メッシとロナウドの比較は続く。今年のCWCの放送でも某地上波のTV局アナウンサーは、世界最高の選手を連呼してロナウドを紹介していた。(滑稽であった)フットボール(サッカーと言った方が良いか)をわかる人ならば、誰がベストのプレーヤーであるか知っている。好みもあるだろうが、メッシとロナウドを比較することはナンセンスであり、意味がないことだ。
ナイキとアディダス、マドリーとバルサ。共に世界最高という枕詞を好む。スポンサーやフットボールビジネスにかかわる人は、メッシとロナウドを利用してビジネスチャンスを広げようとしている。もう10年になる。次が出てこないからやむを得ないことだが。
史上最高レベルのメッシと昨シーズンの最高殊勲選手ロナウドならば言い方として納得できる。それもどうでもいいことだ。
クラシコ2017Finalは、よく歩いたメッシが、マドリー由来のシステムに乗って、マドリーを粉砕した。
とても良いクリスマス休暇に入ったバルサと悶々としたクリスマス休暇になったレアル・マドリー。これだけは真実だ。