ポゼッションフットボールとは、ポジショナブルフットボールのことだった。元々ポゼッションフットボールは、ボールを動かして相手陣の隙をついていく戦術で相手の隙をつくために、隙間＝スペースにポジションを取ってプレッシングをかいくぐっていく攻撃の形のことを言っていた。クライフの追求したスタイルが、本来ポゼッションフットボールと呼ばれていた。今、ポゼッションフットボールは、4-4-2のブロックディフェンスの前に機能的優位性を失い、カウンターの餌食になった。

カウンターの餌食になった今のポゼッションフットボールは、ポジショナブルフットボールとはどんどんかけ離れてしまった。相手陣の隙を突かない消極的（守備的な）ポジション取りによって自陣でのパス繋ぎするのがポゼッションになってしまった。クライフの求めた攻撃戦術「ポゼッション」がボールを奪われないため、様子を窺うための戦術になってしまった。カウンターを恐れるあまり、相手の隙にポジション取りして崩していくスタイルは無くなった。

守備的ポゼッションによって自陣のボール繋ぎをするとカウンターの危険はさらに高まった。自ゴールがより近くなったからだ。バルサは、シャビの不在によって、ポゼッション本来の機能を失い、マドリ２チームのカウンター攻撃に対して、消極的なメンタルが、臆病なメンタルになり、メッシ依存とカウンタースタイルの導入に至った。

クラシコという世界が注目するカードは、いつかカウンターの掛け合いになっていた。フットボールは低質化し、低質化から寒い内容となったが、メディアは危機感からか反比例するように熱く番宣するようになった。

スペインは、バルサの成功によりポゼッションスタイルをカントリースタイルとしたが、それも過去のものになった。