東の町で少年サッカー大会があった。カテゴリーはU-11、スペイン風に言えば「アレビン」だ。この年代は、身体的な格差が顕著になり、技術より体力が幅を利かせるようになる。身体能力の差が、ゲームの結果となってしまうことが多い。この大会でもそんなシーンが随所に見られた。身体能力は確かにアドバンテージになるが、技術を磨かない身体能力はいつかツケがまわってくる。身体能力だけで勝つことを覚えると技術が置き去りにされる。いつか身体能力のアドバンテージが無くなり勝てなくなるとサッカーが嫌いになっていく。そんな選手をたくさん見てきた。だからこの年代は技術を磨かなければならない。ゲームに勝つことよりも技術を磨くことを優先しなければならない。それにはサッカーの技術を身につけることに面白さとか楽しさを経験させなければならない。集中して練習すると疲れてくるが、熱中して、夢中になっていれば疲れない。そんな風にサッカーを続けていたら桁違いのサッカー選手になれる。そのためには、サッカーをすることが何よりも好きでなければならない。少なくとも3度の食事よりサッカーが好きでなければ上手くなることはない。
この時代の少年たちは、技術を磨けば誰でも瞬間的にメッシやネイマールになることが出来るが、成長速度が原因となる身体能力の差がメンタルに影響すると相手をロナウドやベイルにしてしまう。サッカーが好きであれば、体で負けていても心で負けない。ゲームは相手がいないと出来ないが、競争は相手としてはいけない。競争は自分自身としなければならない。昨日の自分を超える様にサッカーを続けられたらそれだけで勝者になれるはず。サッカーの好きさ比べで負けない子供たちが溢れていたら、そのチームはきっと強いはず。
サッカーは身体能力を争うのではなく、技術を競うほうが面白い。