バルセロナVSマドリ、ブラウ・グラナVSエル・ブランコ、カタルーニャVSエスパーニャそして聞き慣れたバルサVSレアル。スペインのリーガの盟主を決める戦いがクラシコ。ナショナルダービーという言葉が軽く感じ、日本にいたら絶対にその凄さが解らないゲームがクラシコだ。対戦成績は、バルサから見て89勝90敗48引き分け。100年以上続き、今回が228回目となるクラシコはチームと地域の意地がぶつかり合う。そのクラシコが1時間後に始まる。14‐15シーズンのクラシコ1回戦の会場は、マドリのホーム、ベルナベウ。
ここ数年はバルサ優位が続いたが、昨シーズンはほぼ拮抗した内容になってきた。バルサ対策の進歩とバルサの戦術がマンネリ化的?になってしまったこと、マドリの完成度がバルサを上回り始めたことが理由だ。
金にもの言わせて世界のトッププレーヤーを補強し続けるマドリのチームとしての完成度が、ラ・マシア出身者、カンテラーノでチームを作るバルサのチーム完成度を凌ぐレベルとなった今シーズンのクラシコは若干マドリ優位に思える。
メッシとロナウドの競争も期待できるが、チームの中で生きるメッシと個でグイグイ行くロナウドの競争はゲームの一部ではあるが全てではない。メッシはロナウドと競ってはいない。ロナウドもメッシとは競う気はないだろうがメディアが、ロナウドを煽るので意識してしまうかもしれない。正義のレオと悪のロナウド。世界のアイドルメッシと世界に嫉まれるロナウドの構図をメディアが作ってしまったことは、ロナウドにとって不幸かもしれない。メッシがいなければロナウドは世界最高選手だ。今年のバロンドールは、クラシコの輝き度で決定されるかもしれない。但し、バロンドールはロナウドのほうが有利にみえるが。(バロンドールの話は別の機会で)
チーム完成度だが、マドリは、モウリーニョ時代に偏った競争心・対抗意識のみが強調され進まなかったが、アンチェロッティによってチームとなってきた、完成を迎えようとしている。まず戦術の幅が広くなった。マドリはカウンター中心のリアクションが基本戦術だったモウリーニョ時代から、ポゼッションとショートカウンターを駆使したドイツのゲーゲンプレッシングも戦術に加えた。ポゼッションの限界を言われて久しいバルサに比べて何でも出来るチームになった。元々リアクションをするチームだったので守備は堅い。プジョルの穴を埋められないバルサより堅い。(今シーズンのバルサはリーガで無失点記録更新中なので弱いとはいえないか)そしてやはり、ロナウド、ベンゼマ、ベイルの3トップの攻撃は強烈の度が桁外れだ。パターンを分かっていても止められない凄みがある。全盛期のバルサとやらせたいと思わせるチームになった。だから今年のクラシコは、マドリ有利、バルサの苦戦が予想される。
バルサは、メッシの出来にかかっている。チーム力では劣っていることが明確になってきたが、メッシが楽しんでサッカーしたら誰も止められない。ネイマールもペドロもアルバもアウベスも生かす。正義のレオが登場したときのみバルサに勝機があるだろう。ベルナベウというアウェーの戦い、レアルにとってのホームの戦いが心理面でどうなるかも見所だが、バルサは追い詰められるほうが強いか。
そして「噛みの子」が出てくる。「神の子メッシ」と「噛みの子スアレス」の競演が勝負にどんな影響をもたらすか?今回クラシコの楽しみの一つだ。ヘンドリックの言う「クライフイズム」を捨てた補強でバルサはどこに向かうつもりなのか。この言葉がクライフ原理主義の戯言になるようなスアレスのデビューを期待している。クラシコは勝たねばならない。チャンピオンズリーグの決勝戦よりも重い戦いがクラシコだから。