ワールドカップが終わって1週間、ヨーロッパはオフ組とチーム合流組(ワールドカップ不出場組とワールドカップ早期敗退組)が混在する2年に1回(ワールドカップ中間年はヨーロッパ選手権)のプレシーズンの年です。それはそうと、12時間の時差でのTV観戦もなくなり普通の生活が戻ってきました。
今回のワールドカップを振り返り、5月4日以降「ワールドカップのこと」で書いてきたことを検証してみたいと思います。
優勝国の予想は、神の子によってセレソンが敗れマラカナンの悲劇が起きる予想をしました。セレソンが決勝に進むことなく、スペインに代わって「ポゼッションサッカー」の旗手となったドイツがサプライズ(自分的には驚きだった)を起し決勝に進みました。アルゼンチンは、弱かったDFラインがゲームごとに安定感を増し、中盤の底、DFラインの前に陣取るマスチェラーノによってかつてのイタリアのカテナチオよりも堅い守備で決勝に進みました。結果は、ドイツが勝ちました。神の子は現れず、色々な意見(勝てば官軍なので)があるので難しい評価ですが、勝ったほうが強かったということです。予想は見事に外れました。
次にジンクスについて、①ヨーロッパの代表は、南米で勝てない。ドイツが破りました。前回大会でスペインが破った「ヨーロッパの代表はヨーロッパ以外で勝てない」に続いてヨーロッパが世界地図のハンデを乗り越えました。②ワールドカップ直前のバロンドールを取った選手のいる国は優勝できない。ポルトガルは予選リーグ敗退でした。「バロンドールの呪い」は厳しいジンクスです。なかなか破られないですね。③前年のコンフェデ優勝国はワールドカップで優勝できない。ブラジルは3回連続コンフェデチャンピオンです。今回こそはと臨んだ大会でしたがセミファイナルで敗退しました。④グループGからは優勝国が出ない。これは今回ドイツが破りました。⑤国内リーグ得点王はワールドカップで得点できない。スアレス、C・ロナウドが対象でしたが、得点はとりました。ジンクスとしては弱いものだったのでこんなところ。⑥CLファイナリストの国は優勝できない。スペインが対象でしたが、予選敗退でした。スケジュール的にタイトでコンディション調整の難しさがあります。これは今後も続くジンクスかもしれないです。スペイン、プレミア、ブンデスは要注意。⑦最後は、次回開催国は優勝できない。ロシアでしたのでだめでした。これは次も間違いなく破られないジンクスですね。以上がジンクスの結果。あくまでもジンクスなのでいつかは全て破られるかもしれません。
私が選ぶベストイレブンとベストイレブンを含んだ「ワールドカップ選抜(仮称)」の23人です。独断と好みで選んだので異論・反論は受け付けません。フォーメーションは4-1-4-1で選びました。
【先発】ベストイレブン
○
ミュラー
○ ○ ○ ○
ネイマール J・ロドリゲス メッシ ロッペン
○
マスチェラーノ
○ ○ ○ ○
ロホ ガライ フンメルス ラーム
○
ノイアー
【控え】
FW:アレクシス・S、ファン・ペルシー
MF:クロース、ディマリア、シュバインシュタイガー、ゲッツェ、
DF:ブリント、ヴァラン、コンパニ、サバレタ
GK:クルトワ、オチョア
【コーチ】
H・コーチ:レーブ、A・コーチ:ペケルマン、ファン・ハール ←もめるな!
控え組みのDF、特にサイドが微妙、3バック(5バック)が多かったか。FWではベンゼマ、MFでは、ブライアンルイス、スナイデル、カイトも選びたいところ。予選リーグ敗退国からは選んでないのでその中からも選ぶべき選手はいます。特にスアレスは本来ならば入るべき選手だが、決勝T進出(スアレスはチームが進んだのに本人は出場停止)した選手から選出したため落選とした。こんなところで。
【番外:期待外れイレブン】
● ● ●
C・ロナウド バロテッリ D・コスタ
● ●
オスカル アザール
●
ブスケス
● ● ● ●
J・アルバ S・ラモス D・ルイス D・アウベス
●
カシージャス
【期待外れの控え】
FW:ルーニー、フレッジ、アグエロ
MF:パウリーニョ、イニエスタ、ヤヤ・トゥーレ
DF:マルセロ、T・シウバ、ピケ、ゴディン
GK:ブッフォン、J・セザール
【期待外れコーチ】
H・コーチ:フェリポン、A・コーチ:デルポスケ、ブランデッリ
期待外れに日本代表を入れるべきか迷う。入れるなら全員を選ばなければならない。残念ながら、選ばれた選手は、スーパーなプレーを期待したワールドクラスの選手。日本代表はそのレベルにないので外す事にした。
大会前に期待した選手の結果はどうだったか。以下の記号で判断。
◎:期待以上、○期待通り(期待ぎりぎり)、△微妙、×期待外れ
メッシ:○△ ※実は×もありの結果。期待が大きすぎか?
ロナウド:× ※バロンドールの呪いを破れず。
ネイマール:○※期待通りとはいかないが出場ゲームは輝きあり。
スアレス:△ ※イングランド戦はさすがであったが、「噛みの子」になってしまった。
Dコスタ:× ※状態が悪すぎ、ポゼッションスタイルにもフィットせず。
アザール:× ※南米の空気に呑まれたか?
バロテッリ:×※イングランド戦は凄さを予感させたが、予感だけで終わった。
アレクシス:○※ボール保持力、突破力はさすが、アーセナルでのプレーに期待膨らむ。
ゲッツェ:○ ※ファイナルの延長戦までは期待外れの危機も決勝ゴールで一発逆転。
ロドリゲス:◎※期待を超え、今大会を代表する選手となる。ビッグクラブでのプレーが楽しみだ。
今大会のMVPを選びたいと思います。3位までの順位で(バロンドールと同じに)
1位:マスチェラーノ、2位:ノイアー、3位:J・ロドリゲス
バロンドールは、FWが取る傾向あるが、偏見で選びました。GKを入れたのは今大会がGKの目立つ大会だったので。マスチェラーノはメッシ以上にアルゼンチンの決勝進出に貢献大。
以上が、今大会の総括です。あくまでも個人的な見解なので別の意見もあるでしょう。聞かないけどね。
28年ぶりに南米で開催されたワールドカップ。次にワールドカップが南米で開催されるのは、28年以上先かもしれません。南米の国にワールドカップをやろうとする国はブラジル以外ないからね。その頃はレジェンド達もずいぶんいなくなってるだろうな。
ヨーロッパ化が進んだ南米のチーム。ヨーロッパの戦術と組織が絶対優位性を持つようになり、クラブチームと各国リーグはその資金力によって南米選手を簡単に獲得するようになった現代。ヨーロッパで通用する選手=戦術の中で生きる選手となり、ファンタジスタが絶滅寸前になったように南米らしい選手も絶滅しようとしています。南米らしい選手は今大会ではネイマールしかいなかったように思います。楽しい悪ふざけの様なボール扱いはほとんど見られなかった。皆が真面目な戦術重視のプレーに走った。メッシも自陣に戻って守備してました。戦術と作戦の競争は、チャンピオンズリーグやヨーロッパ選手権で十分見られること、南米の選手に期待することではない。ヨーロッパ化が進んだことで真面目なプレーが当たり前になった。マリーシアもなくなった。ヨーロッパの国が初めて南米のワールドカップを制覇したことは時代の流れで止められなかったことかもしれない。ゲームそのものは、スリリングでサプライズも織り交ぜられて面白い大会だったが、少し寂しい思いのする大会でもあった。次のロシア大会に南米の復活を期待しましょう。メッシやネイマールを超え、ペレやマラドーナを超える選手の登場を期待しましょう。これでワールドカップ2014のマッチレポートは完了。