バルサに現れたデニスという名のスアレス。バルサのカンテラ出身選手ながら、バルサでプロデビュー出来ずにセビージャ、ビジャレアルを渡り歩き、今シーズンバルサに戻って来た。
背番号6というバルサの代名詞であるポゼッションフットボールの中心選手であったシャビの後継を期待されて。
バルサで「スアレス」というとルイスという往年の名選手と現代バルサの強烈なゴールゲッターが思い浮かぶ。もう一人のスアレスであるデニスは、ドリブル突破が得意なMFであり、アタッカーだ。バルサ復帰当初、シーズン初めごろはフィット感なく微妙な立場だったが、ここにきてフィットし始め新しい攻撃のアクセントをもたらし始めた。
10年少し前にイニエスタがトップに定着した頃は、バルサも冬の時代を過ぎたばかりだった。早春のバルサに生まれたイニエスタは、カンテラの最高傑作だった。今秋風の吹き始めたバルサに帰って来たデニスは、イニエスタとは違うタイプの中盤選手ながら、イニエスタレベルに到達する才能を持っている。だが、今は次のバルサを担う選手になれるかどうかの試練を与えられている。デニスは、イニエスタの持っていないスピードという才能を持っているがゆえにイニエスタだけが持っている「魔法」の様な技を持っていないように見えてしまう。
デニス・スアレスが秋風が吹くバルサを実りの秋にする力を持つか見てみたい。バルサの縦ラインの真ん中になる№6はそんな選手で無ければならない。