バルサ VS R・マドリ @カンプノウ
2‐1
ポゼッション=51:49、枠内シュート=5:4
どちらが勝ってもおかしくない、また一方的な得点差のゲームにもなりえたのが今回のクラシコ。バルサらしくないバルサとスペインのチームであることを誇示するようなパスサッカーとカウンターをミックスしたマドリのゲームは、スアレスの決定打によってバルサに軍配があがった。
前半19分バルサは、セットプレーからマシューがヘッド一発の先制。この1点でバルサは、落着きを取り戻し、押され気味のゲームを支配し始めたが、31分決定的なチャンスをネイマールが決められず、一気にカウンターを受けた。帰ってきたクロアチアの天才がバルサペナルティボックスにボールを運び、ベンゼマにパス、ベンゼマのおしゃれなヒールパスからC・ロナウドがフィニッシュ。綺麗なカウンターが決まった。その後マドリが中盤を支配し、決定的なチャンスを作ったが、わずかなズレから得点を奪えず、1‐1のまま前半終了。
後半も開始直後はマドリペースで進むも56分、ダニ・アウベスのロングボールにスアレスが反応、S・ラモスとぺぺを振り切りシュート。カシージャスの届かない所に飛んだボールはサイドネットに突き刺さりバルサが勝ち越し。スアレスの「トラップ⇒ステップ⇒シュート」は並みのセンターFWではないことを証明するプレーだった。
この失点によって、マドリの優位は消え、バルサがゲームをコントロールし始める。シャビとブスケスの投入によって守備優先のボールポゼッションが始まり、時折メッシが現れてマドリゴールに迫るが、カシージャスのセーブや枠外シュートによって追加点は奪えず、消化不良のままゲームセット。
バルサのファンから見たら、クラシコに勝った事とリーガの勝点差が4になったことは満足かもしれないが、内容はどうも怪しい、美しく勝つサッカーとかクライフイズムという世界を席巻した完成されたサッカーとはかけ離れてしまった感がある。バルサらしくないと言うか、去年のマドリと見間違えるようなカウンターアタックとセットプレーでの得点では不満が残る。アムステルダムに住む「J・Cおじさん」は納得しないだろう。
MSN(メッシ・スアレス・ネイマール)対BBC(ベイル・ベンゼマ・クリスティアーノ)が取りざたされたクラシコだったが、2015年になってからは、BBCのパフォーマンスは低下している。反面スアレスがフィットし始めたMSNの破壊力はピークに向かいつつある。3トップがゲームを決めるバルサとマドリは似たものチームになった。クライフ原理主義とも言うべきポゼッションのパスサッカーから離れたバルサ、マドリ化したバルサは、タイトルを取れるだろうか?取れなかったら、バルサらしくないスタイルをとったルイス・エンリケは即解任だろう。但し、リーガのチームで3冠の可能性を残すのはバルサだけになった。