セミファイナルで期待した結果は、1勝1敗(フランスが勝ち、ウェールズが勝つのが2勝)だった。フランスが82年スペイン大会の借りを返したのか、ドイツがあの時のツケを漸く払ったのかわからないが、内容で勝っていたドイツが負けた。
ウェールズの夢の旅が終わってしまった。04年大会のギリシャになるかと思ったが夢うつつだった。
ファイナルは、フランス対ポルトガル。フランスはビッグマッチの優勝は3回。うち2回が自国開催だ。今回の自国開催は、フランスの利に振れるだろう。しかし、04年の自国開催で伏兵中の伏兵ギリシャにファイナルで敗れた「リスボンの悲劇(誰も言ってない)」を経験したポルトガル。サッカーの内容よりもそんな背景が浮かんでしまうのがファイナルだ。
ファイナルは、内容的に極端な凡戦になることがある。凡戦を極めるとポルトガルの勝ち。内容での勝負になったらフランスの3点差以上の大勝になるだろう。
フランスを見ているとアトレティコ・マドリとかぶってしまう。グリーズマンが切れているのでそう見えるのかもしれない。チョリズム(シメオネ主義)が浸透したスタイルであることは疑いない。ドイツ戦のダブル・ボランチは、ヴィエラとマケレレを彷彿させた。カンテのワンボランチより、この方がいい。ボグバは前もできるが、今回はヴィエラに徹した方が良い。
ポルトガルだが、ロナウド頼み、ロナウドの出来とセットプレーだけだろうが、凡戦になればこれが強い。DFラインを深く取り、ロナウドへのロングボール一本。ワンルートフットボールが決まれば、「パリの悲劇」が見られるかもしれない。フットボールの質で評価したら「パリの喜劇」だろう。
EUROはティキ・タカがサイクルの終焉に向かった。4-2-3-1の並びは、4-4-2に置き換わった。4-4-2に対処する3バックが進化して復権してきた。そんな大会だと言える。攻撃型のスタイルが進化できず、守備型のスタイルが進化した。フットボールのサイクルが守備型に振れた大会だった。15-16シーズンが漸く幕を閉じる。