アーセナル VS バルセロナ @エミレーツ
0-2
アーセナルのヨーロッパ戦線は今年もラウンド16で終わりを告げようとしている。ホームエミレーツで30分間はバルサを封じ込めているように見えた。0-0で終わることが勝ち抜けのただ一つの道だったかもしれない。そんなムードも30分までは感じられた。バルサの10番が本気を出すまでは。
ツェフはこれまでバルサの10番と対戦した6試合、ゴールを決められたことがなかった。試合前のコメントでもそれが伝えられていた。
バルサの10番は、それを知ってか知らずかわからない。30分まで息をひそめていたが、30分過ぎころから明らかにプレーの次元が変わった。先制する71分のゴールまで時間はかかったが、ネイマールから受けたリターンをツェフの動きを見透かすようにトラップでずらしてから、ゴールネットを揺らした。この時点でゲームなほぼ決まってしまった。
この1点ならば、アーセナルはまだ勝ち抜けの可能性が残ったかもしれない。82分、コクランに替えてフラミニが入った直後、フラミニのファーストプレーは自陣ペナルティエリア内でバルサ10番の足を払うプレーになってしまった。PK。フラミニの後ろから突然現れたバルサ10番のプレーをほめるべきだが、フラミニはまだゲームに入ってなかった。
最近のバルサは、PKキッカーが日替わりになっている。が、この日は違った。バルサの10番はファールを受け、PKが示されるとすぐにボールを拾い、自らが蹴る強い意思を示した。4年前CLセミファイナルで決めれば勝ち抜け、失敗すれば敗退というPKがあった。そのバルサ10番のPKを止めたGKが目の前にいるツェフだった。
PKそのものはあっけなかった。精神的にもバルサの10番は圧倒的に優位だっただろう。ツェフの逆を突いたキックはゴールネットに吸い込まれた。本気のバルサの10番を止めることができる選手は今の地球上に存在しない。それを再認識できた。
2ndレグはカンプノウの軌跡か悲劇が起きない限り、アーセナルの勝ち抜けはないだろう。アーセナルはプレミアに集中するのみになる。今年のバルサにマイナス思考は不要のようだ。シーズンがクライマックスに向かう3・4月。バルサに互角に立ち向かえるチームは見当たらない。
でも、サッカーは何が起こるかわからない。2ndレグを冷静に見てみよう。これからのシーズンも冷静に見てみよう。思いもよらない何かが見えてくるかもしれない。