ワールドカップイヤーである2014年。元日に行われた天皇杯決勝は、J1優勝のサンフレッチェ広島と2位の横浜Fマリノスの対戦となった。対戦カードの魅力もあったが、2020年の東京オリンピック開催に向けて国立競技場が改修工事に入るため、来年の天皇杯決勝は12月に横浜国際競技場で行われることが既に発表されている。また、新国立競技場が完成する2019年以降も、日本のサッカーカレンダーが来年から変更されるため、天皇杯の決勝が元日に行われることはなくなるだろうと言われている。
そんなわけで久しぶりに元旦に国立競技場に足を運んでみた。前回元旦に行ったのは、チーム消滅となることが決まっていた横浜フリューゲルスが清水エスパルスに勝って優勝したとき。表彰が行われた貴賓席でキャプテンの山口選手が高々とカップを掲げた姿が記憶に残っている。あれは何年前だったか?
マリノス、サンフレッチェの両サポーターのこの元日決戦にかける思いも強い。それぞれのチャントがよく晴れた空に届くように響き試合を盛り上げた。この高揚感は現場でしか味わえないもの。
中澤選手(中央)のヘディングシュートでマリノスが2−0とリードを広げる
個人的には中村俊輔選手にタイトルを獲得してほしいと願っていた
試合の結果は、ご存知のようにマリノスが2−0で勝ちJリーグ発足後初めての優勝となった。日本サッカーリーグの時代に日産(マリノスの前身)対読売(ヴェルディの前身)の試合を何度も見ていたのでとても意外な気がする。日産といえば木村、金田、水沼、松永等々、読売といえばラモス、都並、戸塚、松木等々。国立競技場を沸かせたプレーヤーが記憶の片隅から何人も浮かんできた。そんな想い出に浸りながら夕暮れに浮かぶ国立競技場を後にした。